2002年11月25日月曜日

「喜多流職分会2002年11月自主公演能」(喜多六平太記念能楽堂・平成15年11月24日)

能「融」遊曲
シテ・香川靖嗣
ワキ・工藤和哉
アイ・三宅右矩
後見・佐々木宗生・内田安信
笛・一噌幸弘
小鼓・大倉源次郎
大鼓・柿原崇志
太鼓・金春惣右衛門
地謡・大島政允・出雲康雅・粟谷明生・梅津忠弘・松井彬・金子敬一郎・佐々木多門・大島輝久

「融」はシテの姿の美しさが何よりも印象的。月の光が満ち溢れるような透明感、高貴さの 中に時折ふと執着の相を垣間見せる融の大臣の表情に驚いた。終結で天上へと戻っていく様は 鮮やかで、ワキの僧の留拍子に思わず、今まで眼前に繰り広げられた光景への驚きの気持ちを 投影してしまった。

2002年8月28日水曜日

「平成14年喜多流素謡・仕舞の会」(喜多六平太記念能楽堂・平成14年8月27日)

仕舞「歌占」キリ
シテ・香川靖嗣
地謡・粟谷明生・中村邦生・長島茂・友枝雄人

キリの地獄の様を見せる描写の鮮やかさ。一つ一つの動作に篭められた気をはっきりと感じることの できる素晴らしい仕舞。無駄な部分、緩んだ部分がなく、最後まで一気にみせられるのはいつもの 事なのだが、本当に素晴らしい。